チェコビザ攻略④:入学許可証を手に入れるまでの道のり

チェコビザ攻略④:入学許可証を手に入れるまでの道のり



皆さんこんにちは。今回はチェコ留学における学生ビザ申請の最大の関門、「滞在の目的を証明する書類」=入学許可証(Letter of Admission)をどう入手するのか、その全過程を解説します。

私はこの書類を手に入れるまでに数えきれないほどの壁にぶつかりました。もう思い出すだけで胃が痛くなるくらいです😂 それでも、ここを突破しない限り留学は始まりません。同じようにこれからチェコで学ぼうとする方の参考になればと思い、私の実体験を交えながら丁寧にまとめます。


1. 入学許可証とは?

チェコの長期滞在ビザ(学生ビザ)を申請するためには、「なぜチェコに滞在するのか」という目的を証明する書類が必須です。就学目的の場合、それが入学予定の大学から発行される 入学許可証(Letter of Admission) です。

ここで注意しておきたいポイントは次のとおりです:

  • 原本提出が必須:メール添付のPDFやコピーは不可。大学から国際郵便やDHLで送ってもらう必要があります。

  • チェコ語での発行が義務:入学許可証は英語不可。必ずチェコ語の原本で提出する決まりです。というか、基本的にビザの書類は提出国の言語で作成するのが基本です。

  • ビザ予約時に必要(私の場合):ビザの申請の予約をするには合格許可証をメールで大使館に送らなければなりません。しかし私の大学は「合格許可証」という概念がなかったです。そのため申請予約を取るために入学許可証を提示しなければなりませんでした。

つまり、ビザの申請どころか予約のスタートラインに立つためにも、この入学許可証を手に入れる必要があるのです。


2. 私の学科は「合格通知」がなかった!?

通常であれば、入学試験に合格すると「合格許可証」が届きます。それを使いビザの申請予約をし、その後、卒業証明書や成績証明書などを大学に提出します。すべてが確認されてから「正式な入学許可証」が発行される流れです。

しかし私の進学予定の学科には、この「合格通知書」という仕組みが存在しませんでした。つまり、必要書類を最初からすべて提出しないと、入学許可証自体が出ないのです。

結果として私は、

  • 高校の卒業証明書

  • 成績証明書

認証付きで大学に提出 し、入学許可証を発行してもらわない限り、最初のビザ予約にすら進めない状況に立たされました。

ここで「認証」って何?という方にむけて説明します。

チェコの大学に正規留学する場合、日本の高校を本当に卒業しているのかどうかを、大学が確認する必要があります。
ただし、日本の高校の証明書はそのままでは「日本国内でのみ有効」な文書です。
そこで、外務省や大使館による認証を受けることで 「この書類は確かに正式な学校から発行された本物です」 と国際的に通用する形にするのです。


3. 入学許可証を得るまでの実際のステップ

ステップ①:高校の証明書を取り寄せる

大学から、「入学許可証を発行してもらうには外務省認証付きの高校の卒業証明書と成績証明書が必要ですよ」、という案内が届いたのは5月中旬。私は高校卒業時に卒業証明書と成績証明書をもらっていましたが、認証を受けるための書類は「発行から3ヶ月以内」というルールがあったため使えませんでした。そのため私は急いで再発行を高校に依頼しました。

ここで思わぬハプニングが起こりました。出身高校に卒業証明書と成績証明書の発行を依頼し、二週間後にようやく届いた封筒を開けてみると……入っていたのは成績証明書が2通だけ。肝心の卒業証明書が入っていなかったのです。大慌てで学校に電話すると、幸い数時間後には新しい証明書を発行してもらえることになりました。

(「数時間で作れるなら、なぜ発行に二週間もかかったのか……?」と突っ込みたくなりますが)結局、家から一時間以上かかる高校まで自分で受け取りに行かなければならず、本当に振り回されました。高校のこのずぼらさには、今でも信じられない気持ちです(怒)

ビザの書類は、渡航に直結する非常に重要なものです。このときの焦りは一生忘れないでしょう。皆さんも「日本だから大丈夫」と安心せず、大事な書類を学校や機関に任せるときは、多少うるさいと思われても構わないので、こまめに確認することを強くおすすめします。

ステップ②:必要な認証を選ぶ

ここからが大きな分かれ道です。

  • 公立高校卒業者 → 多くの場合「アポスティーユ認証」で済む。

  • 私立高校卒業者(=私文書扱い) → 「公印確認+領事認証」というより複雑な手続きが必要。

私は私立高校出身だったため、後者のルートを選ばざるを得ませんでした。


4. 「アポスティーユ」か「公印確認+領事認証」か?

最初は私も「チェコはハーグ条約加盟国だからアポスティーユで大丈夫でしょ?」と軽く考えていました。ところが現実はそう甘くありません。

私立高校の証明書は私文書扱いであるため、そのまま外務省でアポスティーユを付与してもらうことはできません。間接的な方法(公証人役場・法務局を通す)で取得することは可能ですが、大使館に相談したところ次のような返答がありました。

「アポスティーユでの認証は、申請者の宣言に依存する形になるため、信頼性が弱いです。逆に、公印確認+領事認証では、外務省が学校印を直接確認するため、証明力が高いです。当大使館としても後者を推奨しています。」

私はこの説明を受け、スピードより確実性を優先して「公印確認+領事認証」を選びました。


5. 公印確認の取得(外務省)

外務省への申請は郵送で行いました。送付したのは以下のものです:

  • 発行から3ヶ月以内の証明書原本(つまり卒業証明書と成績証明書)

  • 公印確認申請書(提出先国は「チェコ」と記載)

  • 返送用レターパック

  • 「チェコ大使館で領事認証を受ける予定です」と書いた付箋

なぜ付箋? 基本的にチェコへ提出する書類はアポスティーユ認証のみでOKです。そのため、提出先国を「チェコ」と書いた状態にしておくと職員の人は「ああ、この申請者、チェコへ提出する場合は公印確認じゃなくてアポスティーユ認証でいいのに。間違えちゃったんだなぁ。」となり、公印確認が受けられなくなる可能性があるからです!そのため付箋で「公印確認希望」と明記しておいたほうがいいでしょう。結果、5日ほどで無事に公印確認済の証明書が返送されてきました。


6. 領事認証の取得(チェコ大使館)

次のステップはチェコ大使館(東京・広尾)での領事認証です。郵送は不可なので、直接訪問しなければなりません。

必要なものは:

  • 公印確認済みの証明書

  • パスポート(コピー可)

  • 手数料(1通約7,800円)

  • 事前予約(ビザ申請予約と同じメールアドレスで依頼)ビザ申請の予約と違い、領事認証の予約は希望日にすんなり取れます。

私は六月上旬に夜行バスで東京に行き、午前中に手続きをしました。インターホンを押して書類を渡すと、わずか10分後に認証済の書類を受け取れました。何時間を待つことを想像していたので、当日のスムーズさには驚きました。


7. 書類提出と入学許可証の入手

その後、認証済みの書類をコンビニでスキャンし、PDFで大学へ送信。2日後には「審査完了」の連絡が入り、さらに1週間後に「入学許可証を郵送します」との案内を受けました。

この時点で、ようやく ビザ申請のスタート地点に立てた のです。


8. ビザ申請予約は本当に早めに!

ただし、ここで安心してはいけません。チェコ大使館のビザ予約枠は非常に限られており、数週間先まで埋まっていることも珍しくありません。

その後、6月中旬に家に入学許可証が届き、大使館にビザ申請予約メールを急いで送りました。しかし取れた予約日は8月1日。渡航の一か月半前です。この時点で長期ビザを取得するのは無理だなと感じました。ちーん。


9. まとめ:最大の山場を越えるために

私にとって、入学許可証の入手は「学生ビザ申請の最大の山場」でした。

  • 私立高校卒業生は「公印確認+領事認証」という複雑な手続きを避けられない。

  • 書類の有効期限は短く、発行ミスも起こりうる。

  • 大使館のビザ申請予約の枠は限られている。

と、落とし穴だらけです。

それでも、一歩ずつ確実に進めば必ず突破できます。ポイントは:

  • 学校や大使館に遠慮せず問い合わせること。

  • 急ぎの場合は事情を正直に説明すること。

  • ミスや遅れがあっても冷静にリカバリーすること。

今、私はチェコ語の入学許可証を手にし、次のビザ申請準備に取りかかっています。もしこの記事を読んでいるあなたが、同じようにチェコ留学を目指しているなら、ぜひ参考にしてみてください。

苦労は多いですが、必ず道は開けます。私も、あなたも、一緒に頑張りましょう!

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