チェコビザ攻略② 日本にいる私が「ベルギーの無犯罪証明書」を取ってみた話


今回は、自分用の記録を兼ねて、ビザブログ二回目にして、ちょっとニッチな体験談をまとめてみます。それは――チェコの学生ビザ申請に必要な「ベルギーの無犯罪証明書(アポスティーユ付き)」を取得した話

これ、正直言ってほとんどの人には関係ないです。ですが私は高校時代、ベルギーに1年間留学していた関係で、「過去3年以内に6か月以上滞在した国の無犯罪証明書が必要」というビザ申請におけるルールに引っかかってしまいました。

それも、ただの証明書じゃなくて、「アポスティーユ付き原本+チェコ語訳」が必要…!正直、最初は「ムリでは!?」と思ったけど、なんとか手配できたので、その全記録をここにまとめておきます。

ステップ①:ベルギー大使館に問い合わせ→FOD Justitieを紹介される

まず、大前提として、私はいま日本で生活しています。そのためベルギーの役所に行って無犯罪証明書をもらうなんてことはできません。そのため頼みの綱はベルギー大使館です。在日ベルギー大使館に「ビザ申請で無犯罪証明書が必要なんだけどどうすればいいのー(泣)」、というメールを送ると、すぐに、「証明書はベルギー国内のFOD Justitie(連邦公共サービス・司法省)が発行するよ」と教えてくれました。

具体的には、以下の部署に連絡を取るようにと案内されました:

FPS Foreign Affairs, Foreign Trade and Development Cooperation

指示通りそのサイトを検索し、必要だった以下の情報を伝えました:

  • 氏名(アルファベット)

  • 生年月日

  • 出生地

  • 国籍

  • 現在の居住地

  • チェコでの学生ビザ申請に使いたいこと

  • 無犯罪証明書を「英語」で発行してほしいこと

はい、以上の内容をサイト内のメールアドレスに送ると、
なんと、半日後にはPDF形式の無犯罪証明書がメールで送られてきました!対応が早すぎてびっくり。それも無料✌

ステップ②:アポスティーユが欲しいと伝える→eLegalisationへの案内メールが届く

次のステップは「アポスティーユ」の取得です。PDFファイルには無犯罪証明書が添付されていただけでアポスティーユが付いていませんでした。

そこで証明書を送付してくれた担当者の方に「この証明書にアポスティーユをつけてほしい」とメールすると、今度はeLegalisationというオンライン申請サービスへの案内メールが届きました。

このメールには、申請に必要なリンク、PDFのアップロード方法、支払いの手順(クレジットカードで€20)などが書かれていて、あとはその通りに操作するだけ。すべて英語でも問題なく申請を完了できました。

するとまたもや驚き。なんと申請を完了してから3時間後に「電子アポスティーユ付き」の無犯罪証明書がメールで届いたんです!

早すぎて、逆に不安になるレベル(笑)

ステップ③:電子版の書類が認可されるかどうか

ここでまた疑問がひとつ浮かびました。
「電子版無犯罪証明書とアポスティーユで認可されるかな?超不安、、、。」

実はベルギーでは、2018年からアポスティーユの発行が完全電子化されていて、「紙+ハンコ」という形式は一切やっていません。証明書もアポスティーユも、すべてPDFで完結です。

これについて私は、チェコ側が電子形式を受け入れてくれるか不安だったので、大使館に問い合わせをしました。すると「電子版でも大使館として申請を受理することはできるが、チェコ内務省がビザを発行してくれるかは分からない。」とのことでした。また、ハーグ条約に加盟している国同士なら電子アポスティーユでも公文書として有効との情報もいただき、ベルギーもチェコも加盟国なので、たぶん大丈夫……とはいえ、まだビザ審査を終えていないので、実際に受理されるかは不明です。😔

ステップ④:証明書の翻訳

さあ、最後の関門が「チェコ語翻訳」です。
チェコのビザ申請では、外国語の公的文書はチェコ語に翻訳する必要があります。

英語の場合は民間の業者による翻訳でもOKとのこと。しかし、英語以外(フランス語やオランダ語など)の場合は、チェコ国内の「公認翻訳家」による翻訳が必須です。

私は無犯罪証明書がベルギーの公用語であるオランダ語で発行されたので、大使館からチェコ内務省の公認翻訳家の一覧サイトを送ってもらい、オランダ語⇔チェコ語の翻訳家さんに連絡を取りました。この際四人程度にメールを送ったのですが、返信が返ってきたのは2人だけで(泣)、その内、感じの良かった大学教授の方に翻訳をお願いしました。

ステップ⑤:日本への郵送

無犯罪証明書とアポスティーユはやむなく電子版しかゲットできませんでしたが、基本は紙の原本を必要とするのがビザ申請書類です。そのため無犯罪証明書とアポスティーユのチェコ語訳は原本を翻訳家さんに日本へ送ってもらいました。流れは以下の通りです。

  • 無犯罪証明書とアポスティーユのPDFを翻訳家さんに送付→翻訳家さんが翻訳→原本作成

  • DHLなどの国際便で日本に送付(送料約12,000円)

  • 翻訳料はだいたい5,000円前後

DHLは国際配達サービスなので三日程度で書類が自宅に届きました。(激早!!)

結局、ベルギーの無犯罪証明書が必要、と気づいてから1週間程度で書類を日本に郵送してもらう段階まで進むことが出来ました。

まとめ:意外とスピーディーに進められた!

正直、最初は「こんなの無理では!?」と絶望しかけました。ですが一つひとつメールを送り、調べ、やり取りをしていくことで、なんとか取得までたどり着くことが出来ました。まだビザ申請の本番はこれからなのですが少なくとも「ここまで準備した自分」をちょっと誇らしく思えています。

この情報が誰かの役に立つことはあまりないかもしれないけど、未来の自分のために、そして同じように悩んでいる誰かの参考になることを願って――。


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